2017/03/07

GP2改めFIA F2 2017:個人的シーズンプレビュー (2017/3/12追記)

たまにはモタスポファンらしくモタスポの事でも…と思ったので(笑)


昨シーズンのGP2は新規参戦チームでユーロF3等下位カテゴリーで圧倒的な強さを見せるプレマがシーズンを席巻、レッドブル育成のピエール・ガスリーが僅差でチームメイト対決を制してチャンピオンを獲得しました。惜しくも敗れたアントニオ・ジョビナッツィもバクー戦ではレース1とリバースグリッドのレース2の両方で勝利、チャンピオンになったチームメイトを上回る勝利数(5勝、ガスリーは4勝)をマークするなどルーキーとは思えない活躍を見せました。

が、こんな2人でもF1のレギュラーシートを獲得できないのが今のF1の悪いトコロ…

さて、今年のGP2シーズンは上記の2人以外にリン、エバンス、マルチェロ辺りの上位ランカーが揃って不在の為、昨シーズン以上に展開が読めないシーズンになりそうです。
それではチーム別プレビューを。

※今シーズンからGP2はFIA F2に名称変更されることになりました
(2017/3/12追記)


(ドライバー未定チームは確定次第更新します)

プレマ
#1:シャルル・ルクレール
#2:アントニオ・フォコ

ARTから強奪したスタッフ陣のおかげで新規参戦にも関わらず圧倒的な強さを見せたチーム。今年も同様の活躍が期待されるが、チーム代表はそこまで期待してない…らしい?

今シーズンはユーロF3と同様にフェラーリアカデミー色が強いラインアップに。
昨年、下馬評通り圧勝でGP3チャンプを獲得したルクレールはもちろん、ポイントでは少し劣っていたものの、最後までチャンピオン争いに残って同シリーズ3位となったフォコは4台体制だったのに3台が「使えないヤツ」だった所属チームの獲得ポイントの90%超を稼いでチームランキング3位獲得に大きく貢献するなど実績は十分。
ルーキードライバー2人が高い適応能力を見せれば敵なしか?


レーシング・エンジニアリング
#3:ルイス・デルトラズ
#4:グスタフ・マルヤ

ドライバー陣にスター性は感じないものの、毎年安定して上位に食い込んでいる。
昨シーズンのナト&キングの2年目コンビがブレイクしてそれぞれ2勝を挙げたものの、両ドライバーは移籍し、ラインアップは一新されることに。

フル参戦2年目となるマルヤは昨シーズン2度の表彰台を含む8連続入賞を果たしており、パッとしないものの元同僚のピック弟よりも良い成績を挙げているのでブレイクに期待。

デルトラズは「クソ遅かった父親と違って」才能はあるようで、昨シーズンのフォーミュラV8 3.5ではルーキーイヤーながら2位を獲得。お試しで参戦した昨シーズンのGP2最終戦ではカナマサスと遜色ない走りが出来ていたので、カーリンよりも素のチーム力が高いこのチームならすぐ入賞の常連にはなれるハズ。(カネもそこそこ持ってるし)


ロシアンタイム
#5:ルカ・ギオット
#6:アルテム・マルケロフ

昨シーズンはマルチェロが未勝利ながらもチャンピオンシップ争いにギリギリまで残っており、ランキング順位以上のチーム力はあるハズなのだが…
「身内枠」マルケロフは同一チームで4年目を迎え、フェラーリ育成を放出されてF1への道を諦めたマルチェロの代わりにギオットが加入。

このチームのポイント数を見るとマルケロフがだいぶ足を引っ張っている気がするが、昨シーズンはモナコ戦で非リバースグリッドからの優勝を飾るなど改善の兆しを見せており、4年目になる今シーズンはチャンピオンを争うレベルでチームに貢献したいところ。

弱小トライデントに久々の勝利をもたらし、ルーキーながらも頑張っていたギオットは見事戦闘力のあるチームに移籍。メーカーの後ろ盾が未だに無く、長年苦しい戦いを強いられているのでここで一発アピールしておきたい。第二のジョビナッツィとなれるか?


ARTグランプリ
#7:松下信治
#8:アレクサンダー・アルボン

プレマに流出したスタッフが抜けた穴はあまりにも大きかった…
大方の予想を裏切ってシロトキンが出て行ったため、3年目の松下とルーキーのアルボンというART、そして(恐らく)GP2史上初のアジア人コンビというラインアップに。

1勝(ただしモナコのリバース)はしたもののシロトキンに大きく見劣りする成績で2年目のジンクスにハマってしまった松下。スーパーライセンス獲得に向けたポイントが殆ど稼げておらずもう後がない。今年のチームメイトはGP3上がりのルーキーなので負けたらホントにマズい。とりあえずホンダはチームにもっと口を出さないとマズい。さもないと「また」伊沢の後釜に…

下位カテゴリの成績が微妙な割にはGP3で活躍を見せ、同僚のルクレールとチャンピオンを争ったアルボン。一発の速さはルクレールと互角かそれ以上に思える…が、チャンピオンシップを落とした原因はここ一番の勝負強さと安定感の欠如が原因かも?良いチームに乗れれば速い事は証明できたので、いきなりARTで戦える今年は期待。


DAMS
#9:オリバー・ローランド
#10:ニコラス・ラティフィ

ルノーの育成チームとして有名なDAMSのラインアップは更にルノー色が強くなりました。
リンが抜けた時点でルノー育成のローランドが入るのかなと思ったらその通りに(笑)

ローランドはギオットと同様、ルーキーイヤーにも関わらず弱小チームのMPで頑張っており、未勝利ながらも一時期はポイントランキングトップに立っていました。あのMPで何回も表彰台に上がれる実力を持っているので、DAMSではそれ以上の成績を期待。

チームメイトのラティフィはフル参戦2年目(2014年からスポットで出てたけど)。DAMSから初参加した2015シーズン後のテストではトップタイムを記録して期待が高まったものの、2016シーズンが終わってみれば最初のレースの2位表彰台以外はたった5ポイントしか獲れず、同僚のリン(3勝)に比べればかなりヘボい成績…でも残留。2016年のシーズン後テストでもトップタイムは記録したのでテスト番長疑惑アリ。ソフィーナフーズからどんだけ貰ってるんだろ?


カンポス
#11:ラルフ・ボション
#12:未定

資金源(ショーン・ゲラエル)をアーデンに持って行かれたので先行き不透明。
シーズン後テストでもジュンカデラ他本気でGP2に乗せるとは思えないようなドライバーしかテストしていなかったので、新たなお財布を必要としている事は確か。有力候補だったアレックス・パロウ(昨年GP3ランキング15位)も日本に逃げたし…参戦できるの?

(2017/3/12追記)
プレシーズンテスト直前にラルフ・ボションの起用が決定。GP3では2年連続で11位(昨年はフル参戦ではないが)、GP3で昨年は1勝を挙げたものの、非リバースからの最高位は4位なのでGP2に上げるような成績かと言われれば微妙。所属チームが悪いと言われればそれまでだが…
その他下位カテでも特筆すべき成績は残していないので活躍出来たらびっくりする。

もう一つのシートは不明だがプレシーズンテストには元F1ドライバーのロベルト・メルヒが参加する模様。正式に乗るかどうかは不明だが、こんな時期に乗るドライバーいないって事はホントに参戦するつもりなんじゃ…


MPモータースポーツ
#14:セルジオ・セッテ・カマラ
#15:ジョーダン・キング

4シーズンも在籍していたのにヘボい成績だったオーナーの息子(ダニエル・デ・ヨング)がいない初のシーズンを迎える。そもそもフォーミュラ3.5チャンプのローランドを乗せて表彰台が精いっぱい、優勝が2014年ソチの1勝(リバースから)しか無いのでチーム自体ヘボいけど。

元レッドブル育成(GP2参戦決定後に放出)のセッテカマラが早々にシートを獲得。が2年間参戦したユーロF3では14位と11位という微妙な成績ではあるが、マカオGPでは1年目にFLを獲得、昨年はトップを争った。今までの成績からして過度な期待は出来ないが、ストリートコースでは光るところを見せられるかも?
レッドブルから放出された今、狙うはペトロブラスマネーを維持したいウィリアムズでマッサの後釜?ブラジル人とブラジルGPを失いたくないのでそれなりの支援はあるだろう。

父親がオーナーであるマノーF1が消滅してF1への道が閉ざされたように思えるキングだが、一応GP2には今年も参戦。ハコのレース経験ゼロなのにWECのGTEアストンのテストで速かったんだからそっちに行けばよかったのに…
まだロシアンタイムというマトモなシートが残っていたにも関わらずわざわざMPを選んだのは親のチームの元提携先(かつ古巣)なのでNo.1待遇が期待出来るから?
昨年は2勝をマークするなどブレイクしたが、今年はチーム規模的にどうか。


トライデント
#16:ナビル・ジェフリ
#17:未定

金欠→経営がペイドラ頼りで成績悪化→金欠の典型的な悪循環にハマっている。
昨シーズンはインドネシアマネーを持ち込むアルマンドのお陰かシートの切り売りが無かったものの、危ない・遅い・邪魔の三拍子なのでチームポイントは100%ギオットが稼ぐ羽目に(笑)

アルマンドが残留でシーズン後テスト3日目で乗ったナビル・ジェフリが加入するかも。
なおその瞬間チームランキング最下位は確定。

(2017/3/12追記)
ジェフリ加入の予想は当たり。もう一人は未定だが多分アルマンドだろう。


ラパックス
#18:ニック・デ・フリース
#19:ジョニー・チェコットJr.

昨シーズンはマルヤが2回、ピック弟が1回、たった4レースだけしか走っていないチェコットJr.ですら1回表彰台に上っており、チーム力自体は決して悪くないと思われる。

昨年春以来のレース復帰だったにも関わらず、出走した4戦中たった2回入賞しただけで18レース出走のピック弟のポイントの半分を稼いだチェコットJr.はシーズン後テストにも参加しており、一時引退宣言する原因になった資金不足が解消されていればこのチームで走るかも。

同じくシーズン後テストで乗っていたGP3のニック・デ・フリースはハコに転向すると思われるので、ARTを追い出される形になったシロトキンが古巣に復帰する形になりそう。

(2017/3/12追記)
チェコットJr.の継続の予想は当たり。しかし十中八九WECのフェラーリに加入すると思っていたデ・フリースはまさかのGP2参戦。何戦か被っているのでWEC参戦の可能性は消滅か。
これで昨年のGP3のARTで走っていた4人中3人がGP2に昇格という結果に。

頑張れ福住…


アーデン
#20:ノーマン・ナト
#21:ショーン・ゲラエル

ここより下でドベ争いしていたラザロとヒルマー(後者は今年復活するつもりらしいが)が消え、トライデントとMPが1人で100ポイント以上も稼ぐ有能な若手を見つけてしまった為、昨年はとうとうチームランキングで最下位を獲得してしまった。
10年ほど前はGP2チームもレッドブル育成の受け入れ先だったのだが、今は明らかにGP3チームの方が好成績。昨年の終盤で1カー体制になった時は昨シーズンで撤退するのかと思ってた。

しかしゲラエルのインドネシアマネーをチームの冠スポンサーレベルで手に入れた事により無事存続。もう一つのシートには昨年2勝をマークしてブレイクしたナトが加入したので昨年以上の成績が望めるだろう。(ゲラエルが遅いのでポイント的には1カー体制状態だろうが)

シーズン後テストで自腹を切って買ったと思われるカーボン地&ノースポンサーの新車(?)に乗る「あの」ゲラエルが通常仕様のもう1台に乗るジョビナッツィとギオットのタイムを3日間とも破り、タイムシート上位に食い込んでいたのが妙に印象的であった。


ヒルマー(参戦未定)
#22:未定
#23:未定

2015年シーズン途中で金欠になって1カー体制→途中消滅したチーム。
1年間の空白を経て再びGP2に参戦するらしい。しかし昨年11月の発表以来音沙汰が無い。
もうすぐプレシーズンテストが始まるというのに何も情報が無いという事は…あっ(察し)

(シーズン後テストに参加していなかったのはカーリンのGP2からの撤退が昨シーズンの最終戦時点で決定しておらず、撤退するケータハムの機材を使用出来たステータスGP、ラザロの機材を使用出来たプレマとは事情が異なったからなのだろうが)

もし本当に参戦するならビンダーとかカナマサスがシレーッとシートに座っていそう。
多分しない(笑)


今シーズンのチャンピオン争いに関しては、確定メンバーだけで言うと

本命:ルクレール、ローランド、ギオット
対抗:松下、アルボン、フォコ
大穴:マルケロフ、ナト

こんな感じでしょうか?
新顔が多い&残ったメンバーがパッとしないのでレベルに関しては微妙ですが、昨シーズン以上に不確定要素が多く、混戦が期待できる濃いシーズンになりそうです。

開幕が楽しみですね。
ではでは~

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